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障害年金と労災の併給
障害年金と労災は併給されます。
このことをご存じない方は珍しくありません。
過去年金相談を行ったお客様にもそのような方はおられましたが、その時の私は開業しておらず勤務の立場上、その場での助言のみでした。実際その方々が適切に対処できたかはわからず心残りです。
さて少し前に私が受任したお客様で、長らくの精神疾患で障害年金が決定したばかりの方に、今回新たに過去の労災事故による高次脳機能障害が判明しました。事故から2年以上経過して労災給付も終了、セカンドオピニオンによる想定外のお話でした。
そうすると障害年金としては、同じ精神障害でも経緯が全くの別件(別傷病)ですので、新たに事故による初診日と認定日を定めて申請することで併合して上位等級へ。労災についても、障害年金と併給可能(遺族年金も同様)です。
この場合障害年金は通常通り全額支給され、以下の通り労災側で一部調整(減額して支給)が行われます。
障害基礎年金のみ受給の場合、労災の障害(補償)年金は88%支給。
障害厚生年金のみ受給の場合、労災の障害(補償)年金は83%支給。
障害厚生年金と障害基礎年金受給の場合、労災の障害(補償)年金は73%支給。
老齢年金を受けるご年齢時期には、老齢年金と障害年金について選択が必要ですが、選択内容によって労災年金の支給額も変わりますので、併せての検討が必要です。(障害年金を扱う社労士でも、老齢年金に明るくない場合がありますのでご注意下さい)
お一人のお客様からポコポコポコと申請内容が生じ、このようなこともあるのだなとお客様同様にこちらも驚きでした。