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障害者特例

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65歳前に支給される特別支給の老齢厚生年金は、一定の年代の方までが対象です。
(男性S36.4.1以前/女性S41.4.1以前生まれ対象)

次の要件①~③すべて該当する場合に、年金を有利に受給できる特例があります。
障害年金の初診日や納付要件といった条件とは別物になりますので、障害年金で挫折した方でも該当する可能性があります。まずは基本的なところから。

障害者特例の要件
① 特別支給の老齢厚生年金の受給権を有していること
② 厚生年金保険法に定める3級以上の障害状態にあること
③ 厚生年金被保険者資格を喪失していること

① については、受給年齢に達している必要があります。
② については、障害年金の認定日同様に、初診から1年6か月経過していること。
(または1年6か月前に症状が固定していること)
③ については、会社を退職するかまたは厚生年金に加入しない勤務形態で働くこと。

障害の程度3級
労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。

認定基準詳細はこちらでご確認ください。

特例の特典内容は・・

現在特別支給の老齢厚生年金に該当する年代の方に支給される「報酬比例部分」に加えて、
もっと上の年代の方が受給していた「定額部分」が支給されます。
定額部分の計算式(R4額)
1,621円 (×1) × 厚年被保険者期間の月数(480月上限)

更に該当の配偶者がおられた場合には、65歳からの「配偶者加給年金」(388,900/年)も前倒しで加算されます。一定年齢までのお子様がおられたら、子の加算もあります。

ここからは、その方の状況によって留意すべき点がありますので、順番に述べていきます。

金額の比較

●すでに障害年金を受給していても、障害者特例(老齢年金)との金額の比較が必要です。
障害者特例の方が障害年金額を上回る場合は珍しくありません。大差なければ、課税非課税といった観点からの選択もあります。(障害年金は非課税です)

●退職された方は、場合によっては雇用保険の基本手当の受給をお考えの方もおられるかもしれません。65歳前の基本手当と特別支給の老齢厚生年金(障害者特例)は、老齢厚生年金側が支給停止になります。一方、障害年金は雇用保険との併給可です。障害者特例(老齢年金)が最も有利な額であっても、あえて障害年金を選択して基本手当と併給、基本手当を受給し終わったら、障害年金から障害者特例(老齢年金)に選択し直すこともできるので、その都度選択届を提出して、状況に応じた有利な選択をすることが可能です。(選択届は申請の翌月から適用)
また雇用保険側ではすぐに受給せず、権利をキープする延長の手続きもできますので、ハローワークに相談してみましょう。

●年金は夫婦間で相互に影響する面があります。例えば妻が障害年金を受給していることで、夫の老齢厚生年金の「配偶者加給年金」(388,900/年)が支給停止になっている場合。妻が障害者特例(老齢年金)を選択すると、夫の加給年金は支給されます。(妻の厚生年金記録が20年未満の場合)
夫婦の年金額トータルで判断する必要があります。

●同様の傷病について障害年金と労災年金を受給している方は、労災側で一定の調整を受けての併給となりますが、障害者特例は老齢年金にあたりますので、労災年金との調整はありません。労災は満額支給です。その点を踏まえて、比較選択が必要です。


特例に該当したら、申請が必要

基本的には請求の翌月から支給の対象ですので、申請が遅れるとその月数分損をしてしまいます。診断書は病院へ依頼して、出来上がるまでに修正の必要が生じたりと、思わぬ時間を要しますので注意が必要です。
すでに障害年金を受給している方や、認定日請求をする方は特例請求が遅れたとしても、先に障害年金の権利があるなら、特例の要件①~③を満たす時点まで遡及することが可能です。

ひとたび該当すれば、障害年金のように障害状態による更新はありませんので、65歳まで受給できます。逆に更新がないので、障害年金の権利がある方で症状が悪化した場合は、65歳到達前に「額改定請求」をしておくことが重要です。65歳までに一度も2級以上に該当したことが無い場合、65歳以降の額改定請求は出来ないからです。

老齢年金の年代になってくると、やみくもに障害年金を請求することはお勧めできません。
年金にはひとり一年金の大原則があり、いくつも一緒に受給できるわけではないからです。
障害者特例を受給できる方が、事後重症で3級の障害年金を請求するのはメリットがあるのか検討する必要があります。
特にお勤め期間が長い方は、障害年金請求のメリットを検討する必要があります。

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