新しい年収の壁
こんにちは♪京都の女性社労士、年金相談オフィスKAJUの木村です。
令和7年秋。今年の全国健康保険協会の「被扶養者資格再確認」(例年実施する 扶養資格が適正かどうかの調査)はこれから始まるところ。また年末調整シーズン突入時期を控え、このような時節柄、お客様から「扶養」について聞かれることがあります。
「収入」と「所得」は別
俗にいう「年収の壁」は、税金上の壁(100/103万等)と、社会保険の壁(106/130(180)万等)が乱立しており、本当にわかりにくいところです。お客様にとっては地続きの壁のようでも、税金と社会保険は全く別の制度ですので、法律も違えば管轄省庁も異なり、考え方、基準が異なります。
税金はその年1月1日~12月31日まで1年間の所得の結果でみます。壁とは収入(額面)で、これでは複数収入(給与+老齢年金、その他)おありの方は単純には判断できず。「所得」つまり必要経費(〇〇控除=税法上差し引いて良い金額)を差し引いた額で考えて頂きます。
所得(税金上の基本の考え方)=「収入(額面)」―「必要経費(〇〇控除)」
税扶養では、給与所得や雑所得(公的年金、個人年金)等、収入の種類ごとに税法上認められた控除額等を差し引いて、それらを所得ベースで合算して、扶養の基準内に収まるか判断する必要があります。
いっぽう社会保険には現状は106万/130万(60才以上・障害者の場合180万)等の壁がありますが、税金のように実際の数字ではなく、ざっくり言うと現在の収入の「見通し」で考えます。毎月入る恒常的な収入は(障害/遺族年金のような非課税収入であろうと関係なく)すべて含みます。
令和7年所得税の改正
令和7年から所得税の改正があり、基礎控除、給与所得控除、19才以上23才未満の特定の年代の方について金額変更。今回の年末調整、来年2月~3月確定申告から適用されます。いまネット検索しても情報更新されておらず、新旧情報が混在です。
「新しい年収の壁」を整理して書こうと思いましたが、こんなにゆるい場で扱うには壮大な内容になりすぎて^^; 時間もなく断念しました☆
国税庁令和7年度税制改正 http://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025004-025.pdf
厚生労働省 年収の壁への対応 https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
結論、所得税(国税)の壁は緩和されても、住民税(地方税)、社会保険(年金・健康保険)といったほかの壁がありますので、安易に給与等の収入を増やせないと言えそうです。
今回所得税改正に伴って、社会保険の壁ではR7/10/1から、19才以上23才未満の方の健康保険の扶養の基準は150万未満に緩和されております。この年代の方は少し収入を増やしてもよさそうです。
日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html
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