1月の年金行事
令和5年1月中旬から順次、「公的年金等の源泉徴収票」が送付されています。
令和4年中に厚生年金保険、国民年金等の老齢または退職を支給事由とする年金を受けとった方全員に届くものです。
老齢(退職)年金は課税所得なので、確定申告をする際に源泉徴収票が必要になります。確定拠出年金・確定給付年金・厚生年金基金も課税対象です。
(確定申告は必要な方・不要な方がおられます)
障害年金・遺族年金は非課税なので関係せず、源泉徴収票はありません。老齢・障害・遺族の年金生活者支援給付金も非課税なので、同様に源泉徴収票はありません。
R5から源泉徴収票の電子送付サービスが開始されています。
(国民年金を納付した方の控除証明も同様にねんきんネットで再交付可能です)
e-Taxとの連携も始まり、ますます便利になっています。
勿論これまで同様、源泉徴収票は電話でご自宅への郵送依頼、窓口での直接交付も可能です。
源泉徴収票でわかること
〇前年に受け取った年金の種別や合計額(令和4年2月から12月払い(令和5年1月払い含む))
〇徴収された源泉所得税額
〇適用された各種控除
〇徴収された社会保険料額
以前は「扶養親族等申告書」が未提出だと、所得税が高額に徴収されるトラブルがよくあったのですが、税制改正により令和2年分以降の扶養親族等申告書については、提出/未提出で所得税率に差がなくなりました。各種控除の適用を受けない方は、提出しなかった場合でも、「年金から源泉徴収された社会保険料」の控除や「基礎控除」については適用されます。
扶養親族等申告書とは
「扶養親族等申告書」とは、毎年秋に老齢年金の受給額が年108万以上(65歳未満)、または年158万以上(65歳以上)の方に送付されるものです。この金額に満たない年金額の方は、年金から所得税を源泉徴収されないので、そもそも送付されませんし、提出の必要もありません。
控除対象となる配偶者や扶養親族、障害者や寡婦・ひとり親等の控除に該当するのであれば、控除を受けるためには、扶養親族等申告書の提出が必要になります。
(お仕事をしておられ、職場の年末調整で各種控除を受けておられる場合は、重複して受けることはできません)
令和3年秋にご本人が申告・提出した扶養控除等申告書の内容に基づいて、令和4年中の年金が支払われ、その内容を証明するのが今回の源泉徴収票(R5.1~発送)というサイクルになります。
控除内容は適切か
源泉徴収票では、控除内容が適切かご確認下さい。例えば70歳以上の配偶者(S28.1.1以前生まれ)を扶養に入れている場合は、扶養控除対象配偶者の欄で、「老人」に記号が付されているか(氏名・人数も記載あり)。19歳以上23歳未満(H12.1.2~H16.1.1生まれ)の扶養親族がいる場合は控除対象扶養親族の数欄に適切な人数が記載されているか(氏名も記載あり)。ここに誤りがあると適切な控除を受けられず、所得税が高く計算されているかもしれません。ただ最終的に確定申告をする場合は、確定申告で精算できますし、公的年金で対応できない控除(生命保険料控除や医療費控除等)もあり、その場合も確定申告をすることで所得税が還付される場合があります。言い換えれば確定申告不要で、年金の源泉徴収のみで完了する方は注意が必要です。
税金にまつわる内容は毎年毎年のルーティンです。過去5年分(再)申請はできますが、早い段階で確認しておく方がよいでしょう。(税金の制度は非常に複雑で、個別・具体的な税務相談は、法律により税理士以外行うことはできません)